私は米国の利下げを見込んで米国債券に投資しています。米国債券とよく比較される外貨建MMFについて投資を検討するにあたり外貨建MMFと債券の違いについて整理してみたので、簡単に違いについてまとめてみました。
外貨建てMMFについては、トルコリラ等の米ドル以外の商品もありますが、当記事では米ドル建ての商品を前提に記載しています。
※MMF=Money Market Fund
私の米国債券投資方針等については下記記事にまとめております。
米国債券投資について | 旅好き投資家ますおの億り人までの軌跡 (investrip123.com)
外貨建MMFについて
外貨で運用される公社債や短期金融商品へ投資する債券のみで構成される投資信託です。
特徴については以下のとおりです。
①:為替リスク
外貨建で投資を行うため、為替の影響を受けてしまいます。円を外貨に換えて投資するため、換金した外貨の価値が低下すると損失が発生する可能性があります。場合によっては元本割れのリスクがあります。
②:流動性が高い
外貨MMFは日本国債のように留保期間がなく、購入日の翌日以降であれば手数料無料で換金できます。また、債券のように満期もないので、途中解約も可能です。解約手数料は不要で、為替手数料のみで手続きが可能です。よって、短期的な利用も可能となっています。
③:比較的ローリスク
短期の公社債のみで構成される投資信託のため、株式に比べればリスクは低めです。
また、通常の債券で構成される投資信託では、金利が上昇する局面において債券価格が下落するので資産価値も下がってしまいますが、MMFの場合は短期の債券を中心に構成されているため金利動向により価格変動リスクも低くなっています。MMFが保有する債券の発行体の信用リスクもありますが、これも短期の債券で運用されているため値下がりするリスクはほとんどありません。
④:毎日分配金が発生
外貨建てMMFは毎日分配金が発生します。分配金は毎月最終取引日に分配されて、再投資されます。なお、中途解約しったとしても保有日数分の分配金を受け取ることができます。
外貨建てMMFと外貨建て債券の比較
2024年8月時点で、短期債の方が長期債よりも利回りが高い状況(逆イールド)となっています。そのため、中長期債よりも短期債に投資した方が高利回りを享受できためMMFに投資する妙味がありそうです。また、ETFであればすぐに売却できるため流動性もMMFとそこまで変わりませんが、生債券の場合はMMFほど流動性もないので好きなタイミングで売却することもできません。やはり、このような状況下では債券ではなくMMFに投資をした方がいいのでしょうか。それを検証するためにMMFのデメリットを見ていきたいと思います。
●MMFのデメリット
①:分配金が変動する
債券の場合、金利変動があっても当初のクーポン利息は確実に受け取ることができます。MMFの場合、金利が下がってくると分配金も連動して下がってしまいます。確実なインカムゲインは期待できないということになります。2024年8月時点で米国の金利が高い状況ですが利下げが実施されるとMMFの分配金も下がってしまうリスクがあります。
②:債券のキャピタルゲインを享受できない
債券の場合、金利低下に伴い債券価格が上昇するため、利下げが行われた場合、債券の売却益を期待できます。一方でMMFの場合は、短期債中心で構成されているため利下げによる債券価格の上昇は期待できません。
私は、②の米国の利下げによる債券価格の上昇を期待して米国債券ETFに投資をしています。
結論:外貨建てMMFに投資をするかどうか
結論➡外貨建てMMFへの投資は見送り・引き続き債券ETFを購入する
短期債中心で構成される外貨建てMMFは、現在の逆イールド下で非常に魅力的となっています。しかし、検討をはじめる時期が遅かったいうのが正直な感想です。2024年8月の時点ではそろそろ利下げ観測もでている状況なので、投資してすぐに利下げにより分配金が減っていってしまう可能性が高いです。1度の利下げがあってもまだ高利回りではあると思いますが、債券ETFへの投資でもクーポン利息は受け取れるため引き続き債券への投資を継続することとしました。
補足:米ドル建て配当金の端数を投資する
結論として、米国債券への投資資金を外貨建てMMFへの投資へ転換することはしませんでしたが、米国株や米国債券から受け取るドル建ての配当金の端数を外貨建てMMFに投資することとしました。
米国株と米国債券から受け取っているドル建ての配当金を現在は米国債券の再投資に回しています。株式からもらった配当金も株式ではなく債券に再投資しています。
生債券ではなくEDVという米国債券ETFを購入しているのですが、どうしても再投資に回せない端数が存在します。この余った端数の米ドルを外貨建てMMFに回すこととしました。
利下げの可能性があるものの高利回り水準がしばらく続くと予想されるため、預金で寝かしておくよりはいいという判断です。
なお、外貨預金という選択肢もありますが、外貨預金の為替差益は申告分離課税の対象外であり、雑所得として申告が必要となるため見送りしています。